パパ活に潜む性犯罪の罠。あなたの「同意」は本物ですか?

Posted by: | Posted on: 9月 25, 2025

金銭的な支援を受けられるという華やかなイメージの裏で、パパ活は常に深刻な「性犯罪」のリスクと隣り合わせです。

「大人あり」という曖昧な言葉のもとで行われる行為は、あなたの意思に反したものであれば、決して許されることのない犯罪行為に他なりません。

「お金を受け取っているのだから、断れない」「同意したと見なされるかもしれない」という不安や誤解が、多くの被害者を生む温床となっています。

この記事では、パパ活という関係性の中に潜む性犯罪の危険性に焦点を当て、どのような行為が犯罪となるのか、そして自分自身の心と体を守るために何ができるのかを、断固とした姿勢で解説します。

パパ活における「同意」の境界線とは

性犯罪が成立するかどうかを判断する上で、最も重要なのが「同意」の有無です。

しかし、パパ活という金銭が介在する特殊な関係性は、この「同意」の境界線を著しく曖昧にし、危険な状況を生み出します。

金銭の授受が「性的同意」を意味しないこと

まず大前提として、お手当を受け取ることと、性的な行為に同意することは全く別の問題です。

金銭の授受は、いかなる状況においても、あなたの性的自己決定権を奪うものではありません。

食事やデートの対価としてお手当を受け取ったからといって、その後の性的な要求に応じる義務は一切ないのです。

「嫌だ」と言えない状況下での行為は同意ではない

恐怖や驚きで声が出せない、相手が威圧的で断れない、アルコールや薬物の影響で正常な判断ができない。

こうした状況下で行われた性的な行為は、あなたが明確に「嫌だ」と言葉にできなかったとしても、「同意のない行為」と見なされます。

沈黙や諦めは、決して同意のサインではありません。

2023年刑法改正「不同意性交等罪」のポイント

2023年7月に施行された改正刑法では、これまでの「強制性交等罪」が「不同意性交等罪」に変わりました。

これは、暴行や脅迫がなくとも、相手が「同意しない意思」を表明することが困難な状態に乗じて性交等を行った場合に犯罪が成立することを明確にした、非常に重要な改正です。

これにより、「嫌がっている素振りがなかった」という加害者側の言い訳が通用しにくくなりました。

これが性犯罪!パパ活で問われる具体的な罪状

パパ活の現場では、以下のような刑法上の犯罪が発生する可能性があります。

これらは全て、被害者の尊厳を踏みにじる許されざる行為です。

不同意性交等罪(旧:強制性交等罪)

同意がないにもかかわらず、性交、肛門性交、口腔性交を行った場合に成立します。

アルコールで酩酊させたり、恐怖で相手を支配したりするなど、同意しない意思を示すことが困難な状態を利用した場合も含まれ、5年以上の有期懲役に処せられます。

不同意わいせつ罪(旧:強制わいせつ罪)

同意がないにもかかわらず、わいせつな行為(性交等を除く)を行った場合に成立します。

体を無理やり触る、キスを強要するといった行為がこれにあたり、6ヶ月以上10年以下の懲役に処せられます。

盗撮(撮影罪)

相手の同意なく、性的ないたずら目的で体を撮影する行為は「撮影罪」という犯罪です。

着替え中や性行為中の様子を盗撮された場合などが該当し、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられます。

監禁罪

ホテルの一室や車内から出られないようにするなど、相手を一定の場所から脱出できないようにする行為は監禁罪にあたります。

3ヶ月以上7年以下の懲役に処せられ、性犯罪と同時に行われることも少なくありません。

「大人あり」の約束が招く性犯罪のリスク

事前に「大人あり」で合意していたとしても、それが全ての性的な行為に対する包括的な同意とはなりません。

約束したから断れないという誤解

たとえ事前に「大人あり」で約束していたとしても、それはあくまで「その時点での意思」に過ぎません。

実際に会ってみて相手に不信感を抱いた、生理になった、あるいは単純に気分が乗らないなど、いつでもその意思を撤回する権利があなたにはあります。

その日の気分や体調で断る権利

あなたの体は、あなた自身のものです。

その日の気分や体調によって、性的な行為を断ることは当然の権利です。

「約束が違う」などと相手に責められる筋合いは一切ありません。

あなたの心と体が「NO」と言っているのなら、その気持ちを最優先してください。

避妊をしない、暴力的な行為を強要される危険

「大人あり」の約束を逆手に取り、避妊具の着用を拒否したり、あなたが望まない暴力的な行為や特殊なプレイを強要したりする悪質なケースもあります。

これらの行為は、性犯罪であると同時に、あなたの心身に深刻なダメージを与えるDV(ドメスティック・バイオレンス)にも他なりません。

性犯罪者(加害者)になりやすいパパの特徴と手口

悲惨な被害に遭わないために、危険な兆候を示す男性の特徴を知っておくことは非常に重要です。

初対面から個室や自宅に誘う

顔合わせの段階で、カラオケボックスや個室居酒屋、ましてや自分の自宅や車の中といった密室に誘ってくる男性は、極めて危険です。

人目がない場所で、あなたを支配下に置こうとする明確な意図があります。

アルコールを多量に飲ませようとする

「お酒好きだよね?」「もっと飲もうよ」などと、あなたのペースを無視して執拗にアルコールを勧めてくる男性には最大限の警戒が必要です。

あなたの判断能力を奪い、抵抗できなくさせることが目的である可能性が非常に高いでしょう。

「みんなやっている」と正常性を装う

「パパ活なんて、みんな大人ありだよ」「君だけだよ、そんなこと言うのは」といった言葉で、あなたの罪悪感や羞恥心を煽り、要求を飲ませようとするのは典型的な手口です。

あなたの価値観を否定し、精神的に追い詰めて支配しようとします。

急に態度が豹変・威圧的になる

最初は紳士的に振る舞っていても、あなたが要求を断った途端に声を荒らげたり、威圧的な態度に変わったりする男性は非常に危険です。

自分の思い通りにならないと暴力に訴える可能性も否定できません。

自分の身を守る!性犯罪被害に遭わないための自衛策

性犯罪は100%加害者が悪いですが、それでもなお、自分自身でできる限りの自衛策を講じることは大切です。

必ず人目のある場所で会う

初対面はもちろん、何度か会っている相手であっても、デートは常に人目のあるオープンな場所を選びましょう。

ホテルのラウンジや賑わいのあるレストランなどが安全です。

密室空間への誘いは、毅然とした態度で断固として断ってください。

飲酒は控えるか、自分のペースを守る

お酒を飲む場合は、絶対に自分の許容量を超えて飲まないようにしましょう。

相手から勧められても「お酒に弱いので」とはっきり断る勇気が必要です。

また、席を立つ際は、飲み物に薬物を混入される危険も考え、グラスから目を離さないようにしましょう。

個人情報を安易に教えない

本名、住所、最寄り駅、勤務先や学校名など、あなたの生活圏が特定できる個人情報は、完全に信頼できると確信するまで絶対に教えてはいけません。

個人情報は、あなたを脅迫するための武器になり得ます。

少しでも「おかしい」と感じたらすぐに逃げる

相手の言動に少しでも違和感や恐怖を感じたら、それはあなたの心が発する危険信号です。

「失礼かもしれない」などと躊躇する必要はありません。

「家族から急な連絡が来た」など、どんな理由を使っても構いませんので、すぐにその場を離れてください。

もし性犯罪被害に遭ってしまったら…取るべき行動

万が一、被害に遭ってしまった場合、あなたは一人ではありません。

自分を責めず、以下の行動を落ち着いて取ってください。

自分を責めないこと、あなたは悪くない

最も大切なことです。

「パパ活をしていたから」「断れなかったから」など、自分を責める必要は一切ありません。

いかなる理由があっても、あなたの意思に反して行われた性的な行為は、100%加害者が悪いのです。

すぐに安全な場所に避難する

まずは加害者の元から離れ、自宅や友人宅、交番など、心身の安全が確保できる場所に避難してください。

証拠を保全する(着ていた服、メッセージなど)

つらい作業ですが、可能な限り証拠を残すことが、後の捜査や裁判で重要になります。

着ていた服は洗濯せず、ビニール袋に入れて保管してください。

相手とのやり取りが残っているメッセージや通話履歴も、消さずに保護しましょう。

シャワーを浴びずに病院へ(性犯罪被害者支援センター)

すぐにシャワーを浴びたい気持ちは痛いほど分かりますが、体内に残された犯人のDNAなどが重要な証拠となります。

まずは体を洗わずに、警察や後述するワンストップ支援センターに連絡し、指示を仰いでください。

一人で抱え込まないで。相談できる公的機関・窓口

あなたは一人ではありません。

被害に遭ったあなたを支援し、守るための専門機関が必ずあります。

警察署・交番

緊急の場合は、ためらわずに110番通報してください。

すぐに駆けつけて保護してくれます。

緊急でなくても、最寄りの警察署や交番に相談すれば、親身に対応してくれます。

性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター(\#8891)

全国共通の短縮ダイヤル「\#8891(はやくワンストップ)」に電話すれば、その地域にある支援センターにつながります。

相談だけでなく、病院への付き添いやカウンセリング、捜査機関への同行など、多岐にわたるサポートを無料で受けることができます。

NPO法人などの民間支援団体

性暴力被害者の支援を専門に行っているNPO法人も多数あります。

Colabo(コラボ)、BONDプロジェクト、ぱっぷす(PAPS)など、インターネットで検索し、連絡を取ってみてください。

あなたの気持ちに寄り添ったサポートが受けられます。

まとめ:パパ活のリスクを直視し、自分の尊厳を守る選択を

パパ活という行為は、その構造上、常に性犯罪の危険性を内包しています。

金銭的な魅力の裏側にある深刻なリスクから、決して目をそらさないでください。

いかなる理由があろうとも、あなたの心と体、そして尊厳を踏みにじる権利は誰にもありません。

もしあなたが今、危険な状況にいる、あるいは過去の被害に苦しんでいるのなら、どうか一人で抱え込まず、勇気を出して専門機関に相談してください。

あなたの人生は、目先のお金よりも遥かに価値のある、かけがえのないものです。

自分自身を最も大切にする選択をしてください。





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