「お小遣い稼ぎ」「簡単なアルバイト」そんな軽い気持ちで、未成年者がパパ活に興味を持ってしまうケースが後を絶ちません。
しかし、未成年者が関わるパパ活は、当事者たちが想像するよりも遥かに深刻な結果を招く、極めて危険な行為です。
それは単なる男女の交流ではなく、成人、未成年者双方の人生を破滅させかねない「犯罪」と隣り合わせの世界です。
この記事では、未成年者のパパ活がどのような法律に触れ、いかなる犯罪に該当するのか、そして当事者たちが直面する取り返しのつかないリスクについて、一切の曖昧さを排して明確に解説します。
「パパ活」の定義と未成年者が関わることの危険性
まず、基本的な定義から確認する必要があります。
パパ活とは、一般的に経済的に余裕のある男性が、女性に対して金銭的な支援を行い、その対価として食事やデートなどの時間を共に過ごす関係を指します。
この行為が成人同士の合意の上で行われる場合、その是非は倫理的な問題に留まるかもしれません。
しかし、当事者の一方が18歳未満の「未成年者」であった場合、話は根本的に変わります。
未成年者は心身ともに発達途上であり、社会的・経済的にも弱い立場にあります。
そのような未成年者を金銭によって誘い、時間を過ごす行為は、たとえ本人の同意があったとしても、法律上「搾取」や「虐待」と見なされ、厳しい罰則を伴う犯罪行為に発展する可能性が極めて高いのです。
男性側が問われる犯罪とは?適用される法律を解説
未成年者とパパ活を行った男性は、刑事罰の対象となる可能性があります。
「相手が同意していた」「肉体関係はなかった」といった言い訳は通用しないケースも多く、以下のような法律によって厳しく罰せられます。
児童福祉法違反
児童福祉法では、18歳未満の児童に対して「淫行」をさせる行為を禁止しています。
この「淫行」とは、必ずしも性交だけを指すわけではなく、わいせつな行為全般を含みます。
たとえ金銭のやり取りがなくても、児童に対して淫行をさせた場合、3年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
青少年保護育成条例違反
各都道府県が定める青少年保護育成条例(名称は自治体により異なる)でも、青少年との不健全な交際を禁止しています。
東京都の条例を例に挙げると、金品を提供したり、その約束をしたりして18歳未満の者とみだらな性交またはわいせつな行為を行うことを明確に禁止しており、違反した場合は2年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。
この条例は、肉体関係がなくても、対価を約束して青少年を誘い出す行為そのものを規制の対象としている点が特徴です。
児童買春・児童ポルノ禁止法違反
金銭などの対価を支払う、あるいはその約束をして18歳未満の児童と性交などを行う行為は、児童買春にあたります。
これは極めて重い犯罪であり、5年以下の懲役または300万円以下の罰金に処せられます。
「パパ活」という言葉で曖昧にされていますが、金銭を対価に未成年者と性的関係を持つことは、紛れもない児童買春です。
未成年者誘拐罪
金銭の提供などをちらつかせて未成年者を誘い出し、親などの監督下から離脱させて自分の支配下に置く行為は、未成年者誘拐罪に問われる可能性があります。
たとえ未成年者本人の同意があったとしても、親権者の意思に反していれば犯罪が成立する場合があり、3ヶ月以上7年以下の懲役が科されます。
「何もしなければ大丈夫」は通用しない!食事だけでも犯罪に?
「食事やお茶だけで、わいせつな行為は一切していないから大丈夫」と考える男性がいるかもしれませんが、その認識は非常に危険です。
「淫行」の定義と解釈
前述の通り、児童福祉法などが禁じる「淫行」の定義は広く、必ずしも性的な接触を伴うものに限定されません。
個室で二人きりになる、体を密着させる、性的な話題を執拗に振るといった行為も、状況によっては淫行と見なされる可能性があります。
対価の授受がなくても条例違反になるケース
青少年保護育成条例の中には、青少年に対して「不健全な影響を与える交際」そのものを禁止している場合があります。
深夜に連れ回す、飲酒や喫煙をさせる、不健全な場所に立ち入らせるなどの行為は、たとえ金銭のやり取りがなくても条例違反として指導や罰則の対象となることがあります。
「知らなかった」では済まされない現実
「相手が18歳以上だと言っていた」「年齢確認はしなかった」という言い訳は、法廷ではほとんど通用しません。
特に、相手が明らかに未成年であると推認できるような状況であった場合、男性側の確認義務違反が問われ、厳しい処罰が下される可能性が高いです。
成人には、相手が未成年者でないことを慎重に確認する社会的責任があります。
未成年者(女子)側が直面する犯罪被害とリスク
法的な罰則は主に男性側に科されますが、だからといって未成年者側がノーリスクというわけでは決してありません。
むしろ、その後の人生を大きく狂わせる深刻な被害やリスクに直面することになります。
補導や学校・親への連絡
警察にパパ活の現場を発見された場合、未成年者はまず補導されます。
そして、学校や保護者に連絡が入り、厳しい指導や処分を受けることになります。
内申点への影響や、場合によっては退学処分に至るケースもあり、将来の進学や就職に大きな傷がつくことになります。
性的搾取や望まない妊娠・性感染症のリスク
最初は「食事だけ」の約束だったとしても、密室に連れ込まれ、抵抗できない状況で性的行為を強要されるケースは後を絶ちません。
その結果、望まない妊娠をしたり、HIV(エイズ)や梅毒などの性感染症にかかったりするリスクが常に付きまといます。
これは、心身に生涯癒えることのない深い傷を残す可能性があります。
個人情報の悪用とデジタルタトゥーの恐怖
安易に教えてしまった本名や学校名、SNSアカウントなどの個人情報は、悪意のある男性によってインターネット上に晒されたり、それを盾に脅迫されたりする危険性があります。
また、撮影されたわいせつな写真や動画は「デジタルタトゥー」として半永久的にインターネット上に残り続け、あなたの将来を永遠に脅かすことになります。
犯罪組織に利用される危険性
パパ活の相手が、反社会的勢力や犯罪組織の人間である可能性もゼロではありません。
一度関係を持ってしまうと、弱みを握られて抜け出せなくなり、売春の強要や薬物の売買といった、さらに深刻な犯罪の片棒を担がされる危険性もあります。
実際のトラブル事例から学ぶ未成年パパ活の闇
軽い気持ちで始めたパパ活が、いかに悲惨な結果を招くか、実際の事例は雄弁に物語っています。
事例1:食事だけの約束が性的被害に
SNSで知り合った男性と「食事だけで3万円」という約束で会った女子高生が、車で人気のない場所に連れて行かれ、性的暴行を受ける。
恐怖から誰にも相談できず、心に深い傷を負った。
事例2:個人情報を盾に脅迫される
アプリで知り合った男性に、制服の写真や学生証の画像を安易に送ってしまった結果、「ネットにばらまく」と脅され、金銭やわいせつな行為を繰り返し要求されるようになった。
事例3:お手当が支払われずトラブルに
デート後に約束のお手当が支払われず、抗議したところ逆上され暴力を振るわれる。
違法な関係であるため警察に訴えることもできず、泣き寝入りするしかなかった。
もしトラブルに巻き込まれたら?相談できる窓口一覧
もしあなたが未成年者で、パパ活に関連するトラブルに巻き込まれてしまったら、決して一人で抱え込まないでください。
叱られることを恐れず、勇気を出して以下の窓口に相談してください。
あなたの未来を守るために、必ず助けてくれる大人がいます。
警察(少年相談窓口「ヤング・テレホン・コーナー」など)
事件性がある場合は、ためらわずに警察に相談しましょう。
全国の警察には、少年少女のための相談窓口が設置されています。
電話番号は「\#9110」です。
児童相談所全国共通ダイヤル
児童福祉の専門機関である児童相談所も、あなたの味方です。
電話番号「189(いちはやく)」にかければ、お近くの児童相談所につながります。
匿名での相談も可能です。
NPO法人などの民間支援団体
Colabo(コラボ)やBONDプロジェクトなど、困難を抱える若い女性を支援するための民間団体も多数存在します。
インターネットで検索し、連絡を取ってみてください。
まとめ:未成年者のパパ活は誰も幸せにならない
結論として、未成年者が関わるパパ活は、関わった全ての人間を不幸にする、極めて危険な行為です。
男性は社会的地位や家庭、自由を失い、犯罪者としての烙印を押されます。
未成年者は、目先のお金と引き換えに、心と体の安全、そして輝かしいはずの未来を危険に晒すことになります。
「みんなやっているから」「バレなければ大丈夫」という安易な考えは、必ずあなた自身を破滅へと導きます。
もし、この記事を読んでいるあなたが未成年者で、少しでもパパ活に興味を持っているなら、今すぐその危険な考えを捨ててください。
そして、周りの大人たちは、子どもたちがこのような危険な道に進むことがないよう、社会全体で見守り、正しい知識を伝えていく責任があります。